企画通信-2022秋冬

白露|鶺鴒鳴

カモン

「澄みきった秋の空に、鶺鴒の鳴き声」

 

秋の小鳥を代表して七十二候に選ばれた鶺鴒。

鶺鴒は古くから日本にいる身近な鳥です。

 

水辺を好む鳥ですが市街地でもよく見かけます。

ちょこちょこ歩く姿が愛らしく、つい目で追ってしまいます。

 

長い尾を上下に振り、地面を叩くように歩くしぐさから、

「石たたき」「庭たたき」と呼ばれ、日本神話ではイザナギノミコトとイザナミノミコトを結びつける

「恋教え鳥」として登場します。そうした伝説から夫婦円満の御神鳥として崇められています。

 

 

ふくよかなモクモクとしたカモン(窠紋)の形状は、文様として古くから使われています。

鳥の巣がモチーフとも言われ子孫繁栄を意味する縁起の良い形です。

 

 

その窠紋の形をベースに折敷皿と菓子皿を作りました。

お祝い事やハレの日の器としてオススメです。

 

折敷皿は数種類の料理を並べ置いたり、一汁一菜や和食器の下に敷いて個々の料理をキリッと調えるような役割。

菓子皿は高台にすることで特別感のある料理を演出できます。

 

 

色によって多少サイズが異なりますが、折敷皿は特にハマがないためコンパクトに重なり収納しやすい形状です。

 

 

白、グレー、黒のマット調の3色で展開し、グレー色をした磁器土を使用しています。

白はクリームのように滑らかな質感でほのかに黄身がかった色合い、

グレーは無釉にすることで素地が活きてモダンな印象に。

黒は光をあまり反射せず静かで落ちついた質感です。

 

裏面には鳥の巣をイメージした器の形状から鶺鴒が秋の空に甲高い声で鳴いているような情景をロゴにしました。

折敷皿は凹み文字、菓子皿は凸文字にして表現してあります。

 

 

全体にモダンなマット調にすることで、和洋を調和させた盛り付けが楽しめます。

折敷皿は丼ものや香の物を銘々でセットしたり、野菜やお肉のグリルを盛り付けても上品なコーディネートに、

菓子皿も大福やきんつばを並べ置いてお茶の時間を楽しんだり、チョコレートやフィナンシェなど洋菓子との相性も良いです。

 

お茶とお菓子のセッティングをちょっとこだわって、モダンで新鮮な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

 

 

WRITTEN by Yuko Hayashi

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