買ってきた”おいしい”も、器をしつらえると食べる時間がぐっと楽しくなります。
「今日の”おいしい”は、どんな器にしよう?」
そんな小さな問いかけから、暮らしの”食べる時間”を整える提案をしていきます。
1.きょうの一皿 一目惚れのサンドイッチ
週末に立ち寄った、お気に入りのカフェ。オーダーを済ませて何気なく視線を向けると、カウンターに置かれたポストカードが目に入りました。
そこに写っていたのは、ロールパンにふんわりオムレツを大胆に挟んだたまごサンド。厚みのある断面に、緑のディルがぱらり。写真越しでも、その存在感に思わず心を奪われました。
「これは絶対に食べたい。」
そう思いながらも、その日は注文できず、帰ってからも何度も思い出してはそわそわ。翌週、あのたまごサンドを求めてふたたびカフェを訪ねました。
存在感のあるサンドイッチだからこそ、袋からそのまま食べてしまうのはもったいない。“きちんと器を整えていただきたい”──自然とそんな気持ちが芽生えました。

2.どの器にする? オムレツを活かして
「ふわふわのパン、厚みのあるオムレツ、ディルの緑」
このきれいな構成を崩さず盛りつけるには、あまり縁の立っていないプレートがよさそう。色は、卵の黄色を引き立てつつ、やさしく受け止めてくれるものを。

迷いながら選んだ候補は、
・マルタ230オーバルプレート ブラン
リム幅の広いオーバルプレート。
たまごサンドをのせただけで簡単におしゃれな一皿に。
・オルス210プレート アイスブルー
自然なリズムのゆらぎが特徴のラウンドプレート。
ロールパンのふわっとした柔らかさと調和しそう。
・リヴァージュ220プレート
素朴で優しい質感と爽やかなブルーラインが特徴。
こんもりしたオムレツを包み込んでくれる。

いくつか手をのばして、最終的に選んだのは「リヴァージュ」
・素朴で落ち着いた土の風合いが、ふんわりやさしいたまごサンドに似合うこと
・ブルーのラインが爽やかなアクセントとなり、彩りを美しく見せてくれること
“主役を包み込むような優しさ”を持った器だと感じました。
3.器をしつらえて ひと皿で景色をつくる
ロールパンにふんわりとオムレツが挟まれたたまごサンドは「リヴァージュ220プレート」にのせて。
土の温かみある質感と、青のラインが絶妙に調和して一皿で絵になる景色に。
この器にはただ料理をのせるだけでなく、「あのカフェで感じた、やさしい空気感」をそのまま連れてきてくれるような不思議な力があります。

手づかみでいただくサンドイッチだから、あえてカトラリーは使わず、マグカップやリネンでまわりを整えることに。
コーヒーを入れたトゥインクルマグとカンティーヌのクロスを添えるだけで、「買ってきたもの」だったサンドイッチが、きちんと整ったひと皿へと変わっていく。
器と小物の力で、食卓に漂う空気感まで整うのだと改めて感じました。
4.いただきます 手づかみで頬張るしあわせ
やさしく手で持ち上げて、ふわっとしたパンを軽く押すと、ふっくらと焼きあがったオムレツが顔を出します。ナイフやフォークを使わないからこそ、手からじんわり伝わるあたたかさ。

口にした瞬間、シャキシャキと歯ごたえのある玉ねぎに、鼻に抜けるディルの爽やかな香りが重なり、まろやかなオムレツがやさしく包み込みます。想像以上に奥行きのある味わいに、思わず頬がゆるみました。
ロールパンの焼き色や卵の黄色を、リヴァージュの素朴な質感がすっと受け止めてくれる。器があることで、ただ食べる以上に気持ちまで整っていくのを感じます。
やさしくととのう、満足のひとときでした。