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ヴルーテと心ほどけるかぼちゃスープ器とわたしの小さなしつらえ
vol.5

読了時間の目安:5分

器をひとつ添えるだけで、何気ない食事の時間も、ぐっと豊かに変わります。

「今日はどんな器にしよう。」そんな小さな問いかけから、暮らしの“食べる時間”を提案していきます。

今回は、かぼちゃのスープをやわらかな白のスープカップ「ヴルーテ」に注ぎ、心ほどける朝を整えました。

1.きょうのひと皿 スープであたたまる朝

窓の外では白い息が漂う、肌寒い朝。

温かいものが恋しくなって思い出したのは、先日友人からもらったスープギフト。優しいオレンジ色したパッケージに書かれた「かぼちゃのスープ」の文字とふと目が合います。

“今日はこれにしよう”と自然に手が伸びました。

手をかけなくても、器をしつらえるだけで、食卓の空気が整っていく──そんな瞬間が心地良い。いつもと変わらない朝でも、器ひとつで“気持ちの姿勢”が変わる気がします。今日はこのスープを、どんな器に注ごうか。その小さな問いかけが、朝の支度を少し特別にしてくれました。

2.どの器にする? 白の中の、微妙な“違い”を楽しむ

かぼちゃの鮮やかな色は、それだけで主役級。だからこそ、合わせる器は主張しすぎず、やさしく受け止めてくれるものがいい。たどり着いたのは、白のスープカップやボウル。けれど、同じ「白」といっても、素材や質感によって印象はまるで違います。

テーブルに並べたのは、4つの候補。

ヴルーテ スープカップ エクリュ (陶器)
やわらかで奥行きのある白、焦げ感や土の質感が表情豊か。

パエバ スープカップ 白 (陶器)
少しグレーを帯びているスタイリッシュな白。土の表情が優しく残る。

パルード スープカップ 白 (磁器)
柔らかくマットな手触り、清潔感のある白。

ブロス 5寸ボウル 粉引 (陶器)
粉引の白に懐かしさを感じる、素朴であたたかい印象。

 

どの器を選んでも、きっと魅力的な一皿になる。けれど、今日は“心をゆるめる朝”にしたかった。そう思って選んだのは、「ヴルーテ(エクリュ)」

・手の中でしっくり馴染む両手ハンドルの安定感
・真っ白ではない、少し生成りがかった色が、寒い日の朝に温もりを感じる

かぼちゃスープのとろりとした質感にもしっくり馴染むと思いました。白の器は、料理の色をもっとも主役に引き立たせてくれる。でも、凛とした白は冷たく、温かすぎると重くなる。ヴルーテの“ほどよい白”は、そのちょうど中間にあって、心地よく気分を整えてくれる色でした。

3.器をしつらえて 両手で包みたくなる、ぬくもりの景色

湯せんを終えたスープをヴルーテに注ぐと、器の内側に、ふんわりと湯気が立ちのぼります。エクリュの陶器に映えるかぼちゃの黄色が、朝の光を受けてやさしく輝きました。

温かいスープカップの下には「レカ220プレートインディゴ」。少し空いたスペースに、こんがり温かい全粒粉のロールパンを。「タータンチェック」のランチョンマットを敷けば、自然と穏やかであたたかいテーブルに整っていく。ヴルーテをそっと両手で包み込むと、指先からあたたかさが伝わってきて、少し強ばっていた肩の力がふっと抜けていく。手のひらに伝わる“ぬくもり”と、器の“まるみ”が、静かに寄り添う。その一瞬に、日常の忙しさから解き放たれるような心地よさがありました。

4.いただきます 静かな朝に、やさしい余韻を

かぼちゃの自然な甘みがゆっくり広がり、味わいに深みが増して。ひと口ごとに身体が温まり、心がゆるやかにほどけていく。そんな安心感が、静かに広がります。

スープの中にパンをひたせば、表面がゆっくりと溶けていって。かぼちゃの甘みを吸いこんだパンを口に運ぶと、とろけるような温かさが広がり、思わず目を閉じてしまう。“心にゆとりを持つ朝”──そんな言葉がぴったりのひとときです。ヴルーテのやわらかな白が、スープの黄金色をふんわりと包み込み、その中でパンが穏やかに沈んでいく光景さえも美しく感じられました。

飲み終えたあと、器の底にうっすら残った黄色の名残。そのあたたかな色は、今日を心地よく始める合図のように思えます。整えることは、飾ることではなく、自分をいたわること。ヴルーテを手にした朝は、そんな気づきを静かに教えてくれる時間になりました。

目まぐるしい朝でも、器をひとつ選ぶだけで“自分の時間”に戻れる。その感覚を知ってから、忙しさの中にも小さな楽しみを見つけられるようになりました。手をかけずに食べた朝でも、余韻が変わる。そのささやかな変化こそ、器をしつらえることの魅力なのだと思います。