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フルロンと秋を囲むおやつ時間器とわたしの小さなしつらえ
vol.26

読了時間の目安:5分

器をひとつ選ぶだけで、買ってきたおやつも、誰かと過ごす時間の景色に変わっていきます。

「今日はどんな器にしよう。」ひとりで楽しむおやつとは少し違って、友達と囲むなら、自然と手が伸びるような気軽さと、テーブルを囲む楽しさのあるしつらえにしたい。今回選んだのは、芋けんぴ。さつまいもの素朴な甘さとカリッとした食感を楽しみながら、温かいお茶を囲む、秋の午後のおやつ時間です。

1. きょうの一皿 さつまいも尽くしの、秋のおやつ

少しずつ秋の気配を感じるようになると、食べたくなるのが、さつまいものおやつ。今日のおやつに選んだのは芋けんぴです。カリッとした食感と、噛むほどに広がるさつまいもの自然な甘さ。ひとりでゆっくり味わうのもいいけれど、今日は友達と一緒に楽しみます。ひとつの器にたっぷり盛って、みんなで少しずつつまめるように。気軽なおやつだからこそ、器を選ぶところから楽しんでみることにしました。

2. どの器にする? みんなで手を伸ばしたくなる器

カジュアルなおやつ時間だから、きれいに整えすぎるよりも、自然に手を伸ばせることが大切。それでいて、せっかくなら秋のおやつが少し素敵に見える器を選びたい。

松皮菱 古染四方襷

青の絵付けが芋けんぴの飴色ときれいなコントラストをつくりそう。古典的な絵柄も、素朴な芋のおやつによく似合いそうです。

野花お重 焦茶

蓋付きのお重なら、食べきれなかったときもそのまま蓋をしておけるのが便利。七宝のようにも、ダイヤのようにも見える幾何学模様が、秋らしい落ち着きを添えてくれそうです。

フルロン花形5.5寸 サブレ

花びらのような形と、深さのあるつくりが印象的。別添えの蜜をたっぷりかけても受け止めてくれる安心感があります。サブレのやわらかな色合いも、お芋の飴色と重なって、ほっくりとした雰囲気をつくれそうです。

 

悩んで選んだのは、フルロン。

深さのある形は芋けんぴをたっぷり盛るのにちょうどよく、囲んで気軽につまむスタイルにもぴったり。花形のやさしい表情も、秋のおやつ時間にほっとする空気を添えてくれます。

器が決まったら、芋けんぴを盛り付けて、お茶を淹れる準備を始めます。

3. 器をしつらえて 秋を囲む、おやつ時間

中央に、たっぷり芋けんぴを盛ったフルロンを。

取り皿には、ランドレースのアメ色を選びました。芋けんぴの飴色とも自然につながり、テーブル全体に温かみを添えてくれます。

別添えで付いていた蜜は、ブロウのミルクピッチャーへ。食べるときに少しずつかけられるようにして、下にはユイットの小皿を敷きました。ユイットの花形とフルロンの花形がさりげなくリンクして、器を並べたときにもまとまりのある景色になります。

芋けんぴは気軽に指でつまんで食べるのもいいけれど、今日はしつらえに合わせて箸を添えました。かしこまりすぎず、でも少しだけ丁寧に。

リネンはテーブルクロスとして広げるのではなく、50cmサイズのクロスを斜めに敷いて、抜け感をつくります。

さつまいもの素朴な色、飴色の器、花のかたち。派手さはないけれど、秋の午後に似合う、ほっとする景色ができあがりました。ひとり分をきれいに完成させるのではなく、少しずつ分け合えるようばテーブルを整える。そんな「一緒に食べる」ためのしつらえも、いつものおやつ時間とは違う楽しさがあります。

4. いただきます ひとつを分け合う、秋の午後

まずは芋けんぴに、別添えの蜜をかけます。ブロウのミルクピッチャーから蜜をとろりとかけると、飴色の芋けんぴがつややかに輝きます。蜜の甘さが加わることで、いつもの芋けんぴとはまた違った味わいを楽しめそうです。

そして芋けんぴを取り分けて。カリッとした歯ざわりのあとに、さつまいもの自然な甘さが広がります。ひとつ、もうひとつと手が伸びて、気づけば会話をしながら次々とつまんでしまう。

ひとりなら、自分の好きなペースで味わうおやつ時間。でも誰かと一緒なら、「これおいしいね」と感想を言い合ったり、蜜を少しかけて味の変化を楽しんだり。ひとつのおやつを囲むだけで、自然と会話も弾みます。

買ってきた芋けんぴを器に移しただけ。それでも、みんなで囲めるように少しだけテーブルを整えると、ただのおやつが「一緒に過ごす時間」へ変わっていきます。

温かいお茶を飲みながら、話はゆっくり続いていく。

秋のおやつは、ひとりで静かに味わうのもいいけれど、気の合う友達と分け合うと、いつものお菓子もまた違ったおいしさに感じられるもの。さつまいもの素朴な甘さと、器を囲む穏やかな時間。そんな秋の午後を楽しむ、友達とのおやつ時間でした。

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