郷土料理は、各地域の産物を上手に活用して、
風土にあった食べ物として作られ、食べられてきました。
今はなかなか遠くへ出かけることは難しいかもしれないけれど、
日本の郷土料理をお家で作って、
マルミツポテリのうつわに盛り付けて、
その土地の魅力を感じてみませんか。

第22回

福島県

「しんごろう」

「しんごろう」と聞くと人の名前を想像しますが、

実は福島県南会津地域に伝わる郷土料理の名前なんです。

じゅうねん味噌を塗って炭火で香ばしく焼いた料理です。

「じゅうねん」とは「エゴマ」のこと。

会津地方では「食べると十年長生きする」と言われていることから、

エゴマを「じゅうねん」と呼んでいます。

 

作り方は簡単。

まずはご飯をつきます。

おはぎのように半殺しにするのがポイントです。

半つきになったら丸めて、すり潰したえごま、味噌、酒、砂糖、

みりん等を混ぜ合わせて作った「じゅうねん味噌」を塗ります。

串に刺して焦げ目をつけたら、出来上がりです。

 

不思議な名前の郷土料理ですが、発祥はこの料理を

生み出した「新五郎」という人物に由来します。

貧しくてもち米を買うことのできなかった新五郎が、

うるち米を丸めたものにじゅうねん味噌を塗って焼いたものが美味しいと

村中で評判となったのがはじまりと言われています。

えごまと味噌が香ばしい、素朴な郷土料理「しんごろう」。

皆さんも是非おうちで作ってみてください。

福島県

福島県は、北海道、岩手県に次いで3番目の広さを持つ県です。南北に連なる阿武隈高地と奥羽山脈を境に西から「会津」、「中通り」、「浜通り」に分けられる福島県は、異なる気候風土のもと、3つの地域がそれぞれ魅力的な発展をしてきました。山・海・高原・湖と、豊かな自然に恵まれ、国立公園・国定公園・県立自然公園は、県土の12パーセントにも及んでいます。また、星の名所が数多く、標高1,600メートルの福島市浄土平をはじめ、田村市、鮫川村などには天文台もあります。